朝早く、私は彼の家に向かった。
私以外に、部活の同輩、先輩が告別式に参列した。


喪主はお母さんではなく、お父さんのおそらくご兄弟がされていた。
挨拶で「意識のある間中ずっと、周りの家族のことを気にかけていた。彼は本当に優しくて…」というようなことを仰っていた。

私は泣いていた。
一度しか会っていない私にさえ、ずっとずっと家族を気遣い、優しく在ったお父さんの姿がはっきりと思い描けた。た。




出棺し、バスに乗り込む彼を見つめ続けた。
本当は、最後まで、彼の隣にいたかった。お父さんの近くにいたかった。

でも今の私の立場ではそうすることはできなかった。
それはとても哀しいことだった。




私は一度自宅に帰るため、部活の仲間と別れた。

何時間か、家にも帰らずフラフラとショッピングモールを歩いてた。

いつでも彼に会いに行けるように、まだ帰りたくなかったのだ。

2時を回った頃だったと思う。
全てが終わり、彼は家に帰ってきたようだった。
私はそれから家に帰った。





シャワーを浴び、今度は大学に向かった。
体は疲れていたし、心は…元気じゃなかった。

でも、2日続けて部活を休むのは、役員として気が咎めた。

何より、彼女である私が元気でいる方が、みんなも安心するだろうと思った。






彼が一人暮らしの家に戻ったのはそれから三日後、
部活に復帰したのは、次の週だった。

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