彼と会おうと思った。

何を話せばいいかなんてわからなかったけど、とにかく彼に会おうと思った。


彼は一度、一人暮らしの家に戻ると言っていたので、私は講義をさぼり、時間を計算し、大学近くの乗換駅で会うことに決めた。

ちょっとした広場のような、そんなとこで会った。
何を話したかよく覚えていない。

彼を駅まで見送った。

彼の姿が見えなくなった後、彼からメールが届いた。


  「わからない…」


私は胸が苦しかった。
きっと全てがわからないのだろう。
現実がわからない。
自分がどうすべきかわからない。
自分の今の状態、自分自身さえわからなくなってるんじゃないかと思った。



私は駅の周りをふらふら歩きながら、途方にくれていた。

かける言葉が見つからなかった。
私がどんなに一緒にいてもイミがない。
そばにいるよと言ってもイミがない。

なぜって、
そばにいてほしいのは、
ここにいてほしいのは、
他の誰でもない、

お父さんなのだから……

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